というわけで、Netflixで見られるようになったので2024年4月にようやくフォードvsフェラーリを見ることができました。
その出来があまりにも良かったのでここで紹介させてもらいます。
監督はジェームズ・マンゴールド。この人、あっと驚くようなオチのホラー映画『アイデンティティー』の監督で、アメコミのローガンを撮った人だったんですね~。
『フォードvsフェラーリ』の主演は誰?
フォードvsフェラーリの主演は、もう言うまでもないと思いますが、マット・デイモンとクリスチャン・ベールです。
マット・デイモンはいつものマット・デイモンで、クリスチャン・ベールもいつものように快演(怪演)してくれています。
特にやっぱり強烈な印象を残してくれるのがクリスチャン・ベールで、この人の役作りに対する執念は本当にスゴイですね。
映画マシニストでは1年間寝ていない主人公を演じるために4か月という長期間ツナ缶1つリンゴ1個だけの食事で過ごして激やせしたり、ザ・ファイターのコカイン中毒の元ボクサーを演じるために髪の毛を抜いたり歯並びを変えたり、アメリカン・ハッスルでは肥満体の天才詐欺師を演じるために高カロリーのドーナツやハンバーガーを大量に食べて激太りしたりとか……。
クリスチャン・ベールの役作りの執念はどこから来るものなのだろう。
主演クリスチャン・ベールの過去のトラブル
余談ではありますが、クリスチャン・ベールは2008年に母親と姉に対する暴行容疑で逮捕されたり(後に不起訴)、また同年にターミネーター4ノ撮影の際に撮影監督が本番中にも関わらずセット内にいたことが原因で、「気が散るじゃないか」ということで4分間にわたって放送禁止用語混じりで怒鳴り散らした、という過去があります。
wikipediaによれば2008年にこういった事故が起こっているので、2008年にクリスチャン・ベールにとって、何か精神的に不安定になるような出来事が起こっていた可能性もあります。
ですが、そもそもの役作りに対する彼の人並み外れた情熱というのは、それまでの様々な役作りに対する人並外れたアプローチや賞の受賞歴・ノミネート歴をみても周知の事実かと思います。
私生活では色々とやらかしてしまう人でも、演技において役柄を魅力的に見せる点においてプラスに働いているのかもしれません。
少し違うかもですが、俳優で監督のメル・ギブソンも私生活では色々やらかしていますが、演技や監督するものには並外れたパッションを感じ、非常に魅力的です。
なんにせよ、ファイターといい、本作『フォードvsフェラーリ』といい、クリスチャン・ベールの出演するものは名作揃いで私は彼の出演する映画が大好きです(笑)
フォードvsフェラーリの見どころは?
フォードvsフェラーリの見どころってなんでしょうか。
この作品、2024年から復刊してくれた映画秘宝の2021年3月号のベスト1の映画に入ってまして、もうそれだけでスカッとする映画を観たい人とか、とにかく面白い映画を観たいって人にとっては十分すぎるほどのおすすめの理由になると思うんですが、あえて紹介します。
まずは、ドライバーであるケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)のレースへの奮闘ぶりが素晴らしい。
カーアクションの迫力と、レース中に挿入されるマルコ・ベルトラミとバック・サンダースの手掛けた音楽が素晴らしく、私自身はレースの間中鳥肌が立ちまくって、あまつさえ涙を流してしまっていました。
また、カーレースが最高なのはもちろんのこと、企業映画としても面白い。
るろ剣のアクション監督を務めた谷垣健治さんは、『フォードvsフェラーリ』を企業映画としても褒めており、確かに偏屈な性格で怒りっぽいケン・マイルズのフォロー役を務めていたもう一人の主演であるキャロル・シェルビー(マット・デイモン)はライバル幹部の妨害にもくじけずに突き進む様子は、まさに自動車業界の半沢直樹そのもの。
特に、キャロル・シェルビーの見せ場としては、ヘンリー・フォード2世をレーシングカーに乗せて爆走するシーン。これは、ヘンリー・フォード2世のリアクションが本当に面白くて、私は大爆笑してしまいました。
ケン・マイルズの家族との人間ドラマもグッとくる
カーレースアクションの迫力、企業映画としての社内・社外のライバル同士の戦い、そして、紹介しないわけにはいかないのが、この映画の家族ドラマです。
ケン・マイルズは、自動車のことに関しては誰も右に出るものはいませんが、偏屈で切れやすい頑固親父。レーサーであり、自動車整備もしていますが、整備工場は税金の滞納によって差し押さえられてしまいます。
でも、純粋に車を愛し情熱を傾けるケン・マイルズの姿は、妻のモリ―(カトリーナ・バルフ)と息子のピーター(ノア・ジュープ)に尊敬され、3人は仲睦まじい家庭を育んでいるのでした。
ケン・マイルズを支える妻と息子の姿は、夢を追う人にとっては、そのままの自分を肯定されたような気持ちになり、自然と涙が溢れてきます。
特に、父を尊敬し、父と息子がレースについて語り合うシーンは本当に美しいです。
というわけで、『フォードvsフェラーリ』は、最も熱い見せ場は大迫力のカーアクションではありますが、もっと映画としては重層的でレースに勝つことだけではなく、企業映画として、家族映画としても、非常に見どころのあるものとなっています。
2024年に見た映画のなかで、おそらくベスト5以内に入る映画だと思いますし、今まで見てきたカーアクション映画の中ではベスト1の作品でした。
ぜひ興味がある方は視聴してみてくださいね。
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