アイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐るべき告発が暴く虐殺の正体

戦争映画

アイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐るべき告発、という映画を知っていますか?
この映画に出てくるアイヒマン実験という実験は、なぜ、ユダヤ人の虐殺などの恐ろしい虐殺が起こるのか、その理由の一端を示しており、とても興味深いです。

アイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐るべき告発と他のホロコースト映画との違い

実は、アドルフ・アイヒマンは、ユダヤ人のホロコーストを指揮していたため、彼のことを題材にしている映画は多いです。

たとえば、比較的に最近の映画なら、アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち(2015年)がそうですし、その他にも、アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男もそうです。

過去にも、アイヒマンを題材にした映画はいろいろ撮られていますが、今回の記事で紹介するアイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐るべき告発は、アイヒマン実験という実験を行った社会心理学者スタンレー・ミルグラムを主人公にしたものです。

また、出演俳優に、ウィノナ・ライダーや今は亡き夭逝の俳優アントン・イェルチンやジョン・レグイザモという演技派たちが固めているのも、映画の完成度を高めています。

スタンレー・ミルグラムのアイヒマン実験とは

スタンレー・ミルグラムが行ったアイヒマン実験とは、どのような実験なのでしょうか。
かれが行った実験のテーマは、『人は権威者からの命令をどのくらい聞き続けられるのか』ということです。

たとえば、実験に参加した二人の人に、くじ引きで教師と生徒の役割を選ばせて、教師からの質問に生徒が回答することができなければ、その罰として生徒に電流を流します。
ただし、生徒には実際は電流など流れておらず、生徒役は演技でうめき声を上げます。

この実験の狙いは、教師役の人間が、どれだけ命令に従い続けるかを観察することに狙いがあります。

被験者の大半は、通常、実験の指導者に「やめた方がいいんじゃないの?」と言います。
しかし、続けるように言うと、彼らは最後まで生徒に電流を流し続けるのです。

なぜ教師は生徒に電流を流し続けたのか

アイヒマン実験の本当の恐ろしさは、教師役の人間が、生徒役の人間の命の危険があったにも関わらず、最後まで電流を流し続けたことにあります。

実験を終えた後に、なぜ、最後まで電気を止めなかったのかと聞くと、
・そう指示をされたから
・続ける責任があったから
と答えます。

アドルフ・アイヒマンも、なぜ、大量虐殺を行ったのかを聞かれると、「上司の指示でやっただけだ」と答えました。

しかも、さらに恐ろしいことに、スタンレー・ミルグラムは、このアイヒマン実験を人種関係なく、数百回も繰り返したのにも関わらず、すべて、同じ結果になったということでした。

アイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐るべき告発の魅力

本作で行われるスタンレー・ミルグラムの実験はドッキリカメラと紙一重な要素があって面白いです。
たとえば、
・切手つきの手紙を放置した場合、きちんと宛先に届くのか
・仕込みの人が町で空を一斉に見上げたらどうなるか
など、人がどんな風に反応するのか気になるものばかり。

スタンレー・ミルグラムを演じるのは、近年、話題作への出演が続くピーター・サースガード。
妻役のウィノナ・ライダーも、夫の実験に楽しそうに協力していて魅力的です。

アドルフ・アイヒマンではなく、彼が行った虐殺のメカニズムを暴いた男ミルグラム・スタンレーに主役にした本作、アドルフ・アイヒマンを題材にした映画としてはかなり異色なのでぜひ楽しんでみて欲しいです。

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